2019年7月14日日曜日

NEJMの名編集長が選んだ「臨床を変えた12論文」

最近、医療従事者向け医療情報サイトm3.comから面白い情報(https://www.m3.com/clinical/news/683843)が配信されましたので、ブログに紹介します。2019年5月、発刊されています。

2000年から19年にわたり医学誌「New England Journal of Medicine」の編集長を務めたJeffrey M. Drazen氏が、編集長職を辞するに当たって、8万編以上の同誌への投稿論文の中から選んだ12編の医学論文集を公表しました。雑誌の表紙の名前は「DRAZEN’S DOZEN: ARTICLES THAT CHANGED PRACTICE SINCE 2000」。

内科医でもあるDrazen氏が19年間に目を通し、実際に掲載した約4000編のオリジナルリサーチから、「臨床を変え」「人々の命を救った」研究論文を選び、冊子にされています。各論説文とともに、フルテキストで公開されていましす。改ためて読みましたが、とても勉強になりました。

確かにどの論文も素晴らしく、医師なら今や常識となり、多くの患者さんや実は私の家族の治療にも参考にさせて頂いた論文です。
しかし、世界中が恩恵を受けている論文8)の子宮頸がんワクチンが日本では現在ほとんどされていないのはどうなんでしょうか。
(論文の日本語訳はm3.com(https://www.m3.com/clinical/news/683843)の解説を参考に致しました)

12編とは、
1)Randomized Trial of Peanut Consumption in Infants at Risk for Peanut Allergy
N Engl J Med 2015 26; 372: 803-813(ピーナツアレルギー高リスク児に対する生後4-11カ月での早期ピーナツ導入は同アレルギーの発症を有意に抑制する)
2)Apixaban versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation
N Engl J Med 2011; 365: 981-992(不整脈患者の脳卒中あるいは全身性塞栓症予防において、直接作用型経口抗凝固薬アピキサバンはワルファリンより効果が高く、少ない出血リスクで全死亡リスクを低下させる)
3)Reduction in the Incidence of Type 2 Diabetes with Lifestyle Intervention or Metformin
N Engl J Med 2002; 346: 393-403(生活習慣への介入とメトホルミン処方は2型糖尿病高リスク者の発症抑制にいずれも有効だが、生活習慣介入の方がより効果が高い)
4)Colonoscopic Polypectomy and Long-Term Prevention of Colorectal-Cancer Deaths 
N Engl J Med 2012 ; 366: 687-696(大腸内視鏡的ポリペクトミーは、大腸がん死を長期的に抑制する)
5)Sofosbuvir and Velpatasvir for HCV Genotype 1, 2, 4, 5, and 6 Infection
N Engl J Med 2015; 373: 2599-2607(C型肝炎治療薬ソホスブビル・ベルパタスビルの1日1回12週間投与は、HCV遺伝子型1、2、4、5、6感染者に高い持続的ウイルス学的反応をもたらす)
6)Hematologic and Cytogenetic Responses to Imatinib Mesylate in Chronic Myelogenous Leukemia 
N Engl J Med 2002; 346: 645-652(インターフェロン療法不応の慢性骨髄性白血病に対するメシル酸イマチニブ投与は、高い血液学的奏効および細胞遺伝学的奏効をもたらす)
7)A Novel Coronavirus Associated with Severe Acute Respiratory Syndrome
N Engl J Med 2003; 348: 1953-1966(重症急性呼吸器症候群[SARS]のアウトブレークおよび病因にはUrbani株の新規コロナウイルスが関与している)
8)Quadrivalent Vaccine against Human Papillomavirus to Prevent High-Grade Cervical Lesions 
N Engl J Med 2007; 356: 1915-1927(HPV4価ワクチンは、HPV-16またはHPV-18が関与する高悪性度子宮頸部病変の発生を有意に抑制する)
9)A Randomized Trial of Intraarterial Treatment for Acute Ischemic Stroke 
N Engl J Med 2015; 372: 11-20(急性虚血性脳卒中に対する発症6時間以内の動脈内治療は有効かつ安全である)
10)A Randomized Trial Comparing Radical Prostatectomy with Watchful Waiting 24 in Early Prostate Cancer
N Engl J Med 2002; 347: 781-789(早期前立腺がんに対する根治的前立腺摘除術は疾患特異的死亡率を有意に低下させるが、全死亡率に関しては慎重な経過観察を行う場合と差がない)
11)Twenty-Year Follow-up of a Randomized Study Comparing Breast-Conserving Surgery with Radical Mastectomy for Early Breast Cancer
N Engl J Med 2002; 347: 1227-1232(早期乳がんに対し乳房温存術を受けた患者の20年生存率は、根治的乳房切除術を受けた場合と同等であり、比較的小さな乳がんであれば乳房温存術が選択肢となる)
12)Labor Induction versus Expectant Management in Low-Risk Nulliparous Women
N Engl J Med 2018; 379: 513-523(低リスク初産婦の39週での分娩誘発は、周産期複合有害転帰の発生率を減らさないが、帝王切開に関しては発生率を低下させる)





 

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